For Tracy Hyde「he(r)art」を聞いて

 

ハート

 

 「he(r)art」のジャケットに書かれた『君に東京が聞こえる。』にどうしたって惹かれてしまう。

 10年前、とあるバンドのライブを観るために、好きな写真家さんの写真集を買うために、写真のグループ展に参加するために、同じ言葉で話すことのできる人たちに会うために、といった様々な理由でよく東京に行った。物も人も何もかもがきらきらと輝いていて、そこに行けば、自分も特別な何かになれるのではと考えていた。だけど、自分は、自分にしかなれかった。今も、10年前と変わらずきらきらしているものにただ憧れていて、苦手意識も持ってしまっている。

 「he(r)art」もきらきらしていて、とても眩しいけれど、好きで仕方ない。何度も何度も繰り返し聞いてる。宝物みたいに思う。好きなものに触れて、その時に感じた綺麗な記憶と生きてきて、今、このアルバムを聞いて、今までの自分があってよかったとさえ思う。好きなものに生かされている。「he(r)art」を心から好きだと思える自分になれて良かった。「he(r)art」に救われたのだと思う。今までの自分が肯定されたような気持ちになった。散々迷って濁って孤独しか感じなくなって、本当に一人になってしまって、今も後悔していることはたくさんある。でも死ぬように生きていたくはないので、がんばる。また「he(r)art」みたいなきらきらした思いでいっぱいになれるような宝物に出会うために生きていくよ。

 

 1月にリリースツアーが決まったようですね。行きたいな...。